原価法による積算価格の計算方法

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原価法(げんかほう)は不動産鑑定評価における定番の方法で、
再調達原価(さいちょうたつげんか)を基に、
減価補正(げんかほせい)を行なって評価額を求める方法です。

原価法による積算価格の計算方法

具体的には下記の計算式によって評価額を算出します。
また、原価法による評価額を積算価格(せきさんかかく)といいます。

積算価格=再調達原価-減価額

再調達原価(さいちょうたつげんか)

再調達原価は、鑑定対象の不動産を再調達することを
想定した場合に必要な原価のことを指します。

土地の場合は、土地の取得原価・造成費用等が該当し、
建物の場合は、建築費等が該当します。

そして、土地付き建物の場合、
土地と建物の再調達原価の和を求めます。

直接法

再調達原価の計算方法には直接法間接法の二種類があります。
直接法は、下記の計算により求めます。

再調達原価=直接工事費+間接工事費+一般管理費等+発注者が負担すべき通常の付帯費用

既成市街地の場合

既成市街地の場合、造成費用等の金額がわからず
土地の再調達原価を計算することは困難ですので、
この場合は取引事例比較法で求めた更地価格を利用します。

借地権の場合

土地付き建物の鑑定評価において、
土地の敷地利用権が所有権ではなく借地権(地主さんから賃借)の場合、
再調達原価は借地権の価格となります。

減価修正(減価額)

減価修正の要因には物理的要因・機能的要因・経済的要因があります。
この3つの要因を総合して減価額を計算します。

物理的要因

不動産の使用で生ずる摩耗・破損・老朽化・偶発的損傷等。

(例)外壁の劣化、壁紙の汚損、台風による瓦の破損、擁壁の破損。

機能的要因

設備の陳腐化(旧式化)、建物と敷地の不適応等。

(例)バランス釜給湯器、鉄管の上水道、地盤沈下。

経済的要因

不動産とその付近の環境との不適応、付近の不動産との比較における市場性の減退等。

(例)近隣地域の衰退、不動産の乱立、大規模商業施設の出店。

減価修正における減価額を求める方法

上記の3要因は減価修正の要因となりますが、
減価修正の方法もまた2つの方法があり、
原則この2つの方法を併用して減価額を計算します。

耐用年数に基づく方法

不動産は構造に応じて耐用年数が設けられています。
耐用年数には法定耐用年数経済的耐用年数の2種類があります。

法定耐用年数は税務上、
減価償却を行う際に必要となる耐用年数です。
建物を減価償却することによって費用計上できる制度が減価償却ですが、
耐用年数によって減価償却の額が変わるため、
恣意的な耐用年数の選択を防ぐため法律で定められているものです。

経済的耐用年数は、
建物が十分に使用目的を満足できる年数です。

実務で使用されている経済的耐用年数は、税法上の法定耐用年数が多く利用されています。

税法上の耐用年数の計算方法

構造 耐用年数
SRC造・RC造 47年
木造 22年
金属造
(骨格材肉薄3mm以下)
19年
金属造
(骨格材肉薄3mm超4mm以下)
27年
金属造
(骨格材肉薄4mm超)
34年

観察原価法

設計・設備等の機能性、維持管理の状態、補修の状況、付近の環境との適合の状態等、
減価修正の要因を実態調査することによって減価額を求める方法です。

個別の評価方法

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