事故物件(心理的瑕疵)はどの範囲まで告知義務があるのか

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売り物件を探していると相場より明らかに安すぎる物件を見かけることがありますが、大抵は「値段の付け間違え」「オーナーチェンジ物件(賃貸中の物件)」そして「事故物件」です。

それ以外にも、例えば「中がボロボロ」「敷地利用権が借地権」「無茶な増改築がされており違法建築状態」「管理費・修繕積立金・地代等が高額すぎて賃貸がついていても収益性が乏しい」等の原因で(金額が)安く売りだされる物件もあります。

値付け間違え

値段の付け間違えは3800万円の物件を380万円という具合にゼロを付け間違えた等の間違いでその値段では買えないケースもあれば、相場では1200万円はくだらないという物件が700万円で出ているという場合もあり、発見が早ければ買えることもあります。

オーナーチェンジ物件(賃貸中)

オーナーチェンジ物件については、例えばある首都圏の区分所有マンションで一般住宅としての実需向け相場として1700万円くらいの相場の物件があったとして、この物件に9万円で賃貸がついていたとします。
この不動産の管理費・修繕積立金が月額2万円として、利回り8%で計算すると次のようになります。

(9-2)×12=84(万円/年)
84÷0.08=1050(万円/年)

つまり、1700万円はくだらない物件が賃貸中(オーナーチェンジ)であれば賃料設定によっては1050万円で売りに出てくることになります。

事故物件

物件自体には特に何の問題もないのにやたら安いという場合、基本的には事故物件であることが多いです。

事故物件であるかどうかは販売図面(マイソク)を見れば分かります。備考欄に「告知事項あり」と書いてあればそれはほとんどのケースで事故物件です。

通常の売買においても「物件状況告知書(告知書)」というものを売買契約時に作成しますし、雨漏りやシロアリ被害・地盤沈下なども告知事項になりますが、通常こういった問題がある場合は図面等に直接記載されるか電話で問い合わせた際に伝えらえることがほとんどです。

しかし、図面に「前所有者が自殺しています」と販売図面に書くわけにはいかないため、通常は「告知事項あり」と記載し、詳しい内容は電話で問い合わせる事になります。

どの範囲までが事故物件なのか

事故物件は基本的には不動産の敷地内または居室内で次のような事故・事件があった不動産を指します。

  • 自殺
  • 他殺
  • 不審死・変死
  • 火災による焼死
  • 病死後期間を置いて発見

これ以外の場合、例えば通勤中に事故に巻き込まれて亡くなられたり、居室内で体調を崩し搬送先の病院で亡くなったというような場合は事故物件にはなりません。その建物内で事故・事件が起きていないからです。

心理的瑕疵とは

事故・事件があることを「心理的瑕疵(しんりてきかし)」といいます。不動産業界で瑕疵(かし)といえば基本的には構造上主要な部分(柱・屋根など)に通常の注意を払っても発見できない不具合があることを指しますが、心理的瑕疵といえば通常の瑕疵のことではなく事故・事件があるということになります。

告知義務とは

心理的瑕疵がある場合、買主にはその事実を告知(こくち)する義務(告知義務)があります。つまり、過去に事故・事件があった旨を買主に事前に伝えなさいということです。

実際には、重要事項説明書の備考欄、売買契約書の特約事項、物件状況告知書においてどのような心理的瑕疵があるのかを記載します。

事故物件は買っても良いのか

事故物件はよほど不動産業に精通した人でなければ買ってはいけません。主な理由は、売却する場合に相場が読めないからです。

また、亡くなられた方の臭いが物件内に残っている場合、これらの臭いは非常に強烈ですので消臭には専門知識が不可欠ですし、場合によっては亡くなられた方の病気に感染してしまう可能性がありますので、素人判断で購入されるのは大変危険です。

買い付けの際に条件を付け加える

買付証明書を提出すると仲介業者は売買契約の段取りを進めますが、その過程で心理的瑕疵が発覚することもあります。

この段階で購入を取りやめる場合、買付証明書自体には法的拘束力はさほどありませんから、「心理的瑕疵があるため買いません」と伝えて購入はやめておくのが一番です。

また、不動産業者が不動産に買付を入れる場合、買付証明書の備考欄に「心理的瑕疵のないこと」と条件を付け加えるのが一般的です。この条件をつけておけば、仮にその後事故・事件が発覚した場合にスムーズに購入を止めることができます。

ただし、物件によってはこれらの条件をつけることを嫌がられるケースもありますし、競売物件であればそもそもこのような条件を付けられず瑕疵担保免責で買い受ける必要があるため、ケースバイケースではあります。

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